伝統建築物

HISTORIC BUILDING

重厚な土蔵造りなど昔の繫栄を偲ばせる商家の町並みなどは、長い年月をかけて何代にも亘り受け継がれてきた貴重な日本の文化財です。

歴史的な風致を形成している伝統的な建築物群を文化財として捉え、それらと一体をなして歴史的価値を形成する環境とともに保存する『伝統建築物群保存地区』制度が創設されました。『猫の月さくらやま』も、伝統建築物の一つとして認可されております。


町家づくり

MACHIYA TSUKURI

町屋は通常、街道(主要道路)に面した間口が狭く、奥行きが深い構造になっています。町家の特徴としてよく挙げられるのが、間口は三間程度と狭くて奥行きが深く、いわゆる「鰻の寝床」と呼ばれる町家が多い。

商家なら、くぐり戸を抜けると商売を営む「店の間」があり、その奥に玄関庭が作られることもある。玄関から裏庭までつながる土間を「通り庭」と呼び、その途中に坪庭(前栽)と呼ばれる小さな庭があることもある。また、往来に面して格子が設置されていることも特徴のひとつ。屋外からは家の中が見えづらいが、室内から外はよく見えるため、プライバシーを守ると同時に、来客への対応がスムーズなのだ。外壁に「揚見世(ばったん床几)」と呼ばれる折りたたみ式のベンチが設置された家もある。

改装前の店舗入り口

出窓の屋根には、意思でトタンが飛ばないように抑えてあります。江戸時代初期~明治後期に建てられた2階建て。天窓が低く、窓のついた2階建が特徴です。2階窓に使われたノスタルジックなガラスは昭和初期のものでしょうか。

改装後の店舗入り口

出窓はそのままに。当時は食べ物を販売していたらしいですが詳細はわかりません。土台は100年前のコンクリートそのままです。出窓の木枠には、隠れ猫が彫刻されています。見つけてみてください。

以前はお土産屋さんだった・・

もともとあった家屋の外壁を隠すようにお土産屋さん意匠の外壁で囲われていました。何代もの間、その用途を変えながら生き続けた家屋は、50年ぶりに原型を現しました。

現在は、猫くら(猫カフェ)として復活

窓の位置や、外壁構造や、壁の色、を当時の数少ない仕様を参考に再生しました。この形が130年前の建築物となります。建物内には、床暖房を設置し、高山の真冬も暖かく過ごせるようになっています。

隣接した町家民家

数年前まで住居して使われていた民家は、人が住まわなくなるとともに、一気に朽ち果てていきます。ところどころ修繕しながら130年もの間、立ち続けていました。

現在は、古民家カフェ

飛騨の家具であつらえた店内は、優雅で落ち着く空間となりました。窓から眺める風景は普段よりゆっくりと時間が流れているように感じます。

以前のお土産屋さんは・・

床もなくなり土間になっており、ガラスサッシや吹き抜けもあり、とても寒々しい店内でした。

床暖房でぽかぽかな店内

寒さに弱い猫のためにすべての床に暖房を入れました。真冬の猫たちは床に寝転んでとても幸せそうです。